2024/07/23 23:45

題「この瞬間の logical complex」
Logical complex ──四⼈組ロックバンド
メンバーは、vocal guitar「Ryu」drums「Yuki」base「Kanata」guitar「Takuma」で構成
されている。
筆者はフロントマンである瑠とは⼩学⽣のころからの付き合いになる。
筆者はまず、バンドメンバーの出会いを聞いた。
ベースの彼⽅を除く三⼈は、茨⽊市の同じ⾼校に在籍していた。
瑠は⼊学して間もないころ⾃分のギターの腕前に関して絶⼤なる、そして根拠のない⾃信
を持っていた。そんな中迎えた⾼校⼀年⽣のクラスでの⾃⼰紹介。
「荒⽊優樹です。趣味でギターしています。 」
その⼀⾔が、瑠と優樹の出会いだった。
場⾯は変わり、 瑠が⾼校⼆年⽣の頃、 美術の授業の⼀環で⽣徒それぞれの作品が廊下に展⽰されていた。

ギターの琢磨は年齢としてはほか三⼈の⼀つ下に当たる。この時⾼校⼀年⽣だった。
後輩に興味すらなかった瑠がたまたまその作品たちを眺めていた中に、⼀つ異彩を放つ作品があった。
琢磨の作品だった。

それから⼀年後、 琢磨と優樹が属する軽⾳部のバンドが⽂化祭で演奏をしていた。 (瑠も軽⾳部に属していた時期もあるが後に幽霊部員となり除籍さ
れる。 )
そのころ瑠は独りオリジナル作品を作成し始めていた。
そして優樹に⾃分の作品を聞かせたところ、その⾳源を優樹が琢磨に聞かせた。
琢磨は「同世代で作品を作っている⼈がいるなんて」と衝撃を受けたという。
しかし、その段階ではまだ瑠と琢磨の関係は発展していなかった。
瑠と優樹が⾼校を卒業する直前、ひょんなことから瑠と優樹と琢磨の三⼈で喫茶店へと向かった。
その時期は、 三⼈とは違う⾼校に通っていた彼⽅と⼆⼈きりで、 ⾳を鳴らし続けていた。
その⽣活に限界を感じていた瑠が、 琢磨をスタジオへと誘った。 琢磨を紹介した優樹よりも先に、琢磨が加⼊した。
なんとこの段階ではドラムが不在だった。
そして⾼校卒業後、優樹は社会⼈としての⽣活を送っていた。ほか三⼈は学⽣だった。
⾜りない最後のピース。 ドラム。 優樹のバンド加⼊を期待し、 瑠が優樹に電話をかけたとい
う。
「⼀緒にバンドしーひん?」
「あー、ええよ。 」
⼆つ返事での快諾となった。 (⼆つ返事で快諾した理由を筆者は過去の聞かせてもらったのだが紆余曲折あり、忘れてしまった。ごめんね、またいつか。 )

優樹は、初⼼者の状態でドラムを始めたため、死に物狂いで練習に励んだのだという。
⼿は⾖だらけ、⾎だらけ。そのまま仕事へ⾏き⼯場での仕事に勤しんだ。
いよいよ、logical complex の⾻組みが出来上がった。

さて、ここからは筆者が⾒る logical complex について綴ろうと思う。
まず初めに、 どうしようもないほどに素晴らしい logical complex の四⼈に敬意を表したい。
限りなく永遠に近いアーティストとしての命題に真っ向から⽴ち向かい、⽬線を共有しな
がら、 時にはぶつかり合い、 また時には折り合いながら不器⽤にそして不格好に進んでいる。
しかしその姿は筆者にはとてつもなく格好良く⾒える。

2024.0714

今⽇というこの⽇は、⼤阪府寝屋川市に位置する coffee「people」にて四⼈は近いうちに発表するバンドとして初の EP 「21%」
そのジャケットのアートワークや CD の盤のデザインについてアイディアを出し合い話し込む。
基本的に話を進めていくのはフロントマンの瑠とドラムの優樹だ。
様々な⾓度から切り込み、脳内のイメージを現在持ちえる語彙で⾔語化し舵を取る。
その傍らでベースの奏汰とギターの琢磨は会話にはあまり参加せず、しかし参加している。
⾔葉にはしていなくともこの⼆⼈はきっと、いや確実に脳内で logical complex について⾃分と対話している。
時折、 独り⾔とも解釈できる⾔葉を発し、 前者の⼆⼈がそれに⽿を傾ける。
筆者が思うこの四⼈の素晴らしい部分はここにある。
バンドにありがちで、どうしても避けては通れないフロントマンのワンマン体制。
しかし筆者が⾒る限りこのバンドにその要素は今のところ⼀切⾒えない。
⾳楽的な部分ではやはりフロントマンにしかわからない部分があるのだと素⼈ながら推測
できるが、ほかの三⼈はそれに対して絶対的な信頼を置いているのがひしひしと伝わってくる。

四⼈がそれぞれ臓器となり⾁となり⾎となり⽂字通り⼿を取り合い、同じ景⾊を⾒つめて
いる。 また逆に、 会話が少し抽象的、 概念的に偏り始めると、 瑠が鮮明に⾔語化をし始める。
このバランス感覚が極めて絶妙である。
「琢磨はどう思う?」
そう優樹が話を振る。そうすると琢磨はすぐに「僕はこう思います。 」といった⾵に返答をする。

この会話に今筆者が記述したことの証明がなされている。
議題は SNS の運⽤ついてに姿を変えた。
まず前提として、このバンドは発展途上だ。まだリスナーは⼀⼈も付いていない。
バンドの⾳楽に触れるための窓⼝が無いのだ。この問題についてはメンバー⼀⼈⼀⼈が⾃覚しており、 バンドで活動していく上ではリスナーの獲得というのは最⼤の課題であり、 最も難しい課題である。
しかしどうしようもなく不器⽤でシャイな四⼈であるため⾃分たちの素を曝け出すのはやぶさかである。

筆者は、 なんとももどかしい感覚に陥る。 このバンドの素晴らしさを、 このバンドの発展してゆく様を、 このバンドの⻘さを、 少しでも多くの⼈々の眼に焼き付けてもらいたいと感じてしまう。
筆者もまた、⽬に焼き付けている最中なのである。
しかしメンバーそれぞれが SNS を通じて顧客(リスナー)を獲得したいと⼼の底から思っているかというと、そうではないのだと思うのだ。あくまで憶測にすぎないが。

そのため筆者なりの視点でここに書き記そうと思う。このバンドが多くの⼈の眼を⽿を虜にしたのちに、
この⽂章が彼らの素晴らしさを証明する⼀つの媒体に、窓⼝になればよいなと考える。
この⽇、筆者は logical complex と、時間にして約⼗時間を共にした。

時間を共有する中で、 驚いたことがある。 それはメンバー四⼈が織りなしている空気感の厚
みとその重なり具合だ。 かなり抽象的な話になるのだが、 ミルフィーユ構造の様に完全に重なり合っているのではなく、それぞれの持つ⾊や感性のある⼀点だけが奇跡的に重なり合っているのだ。
歪にも、美しくも。
そこに筆者はすごく驚かされた。
しかし、 あくまで筆者は部外者でしかない。 こう書くとメンバーたちは 「そんなことないよ」
と⾔ってくれるかもしれないが、筆者は、紛れもなく部外者だ。

そのため筆者が感じ取れる物には真偽が不確かなものが数多く点在しているはずだ。
ならば、 その点においてはメンバーを信じるほかにない。 筆者が記述した歪と美しさをきっと彼らは⾳楽という側⾯からリスナーに、 この⽂章の読者に
(読者は、 いてもいなくてもよいのだが)証明してくれるはずだ。⾝を、⼼をすり減らし、あらゆる困難に直⾯し、あるいはとても幸福的で、 それでいてこの世の全部を殺したくなるような経験をした後に
(今現在も経験しているかもしれないが、 経験していない前提で話を進めさせてもらう。 もっと深く
四⼈を知れたとき、また書こうと思う。 )
奏でだす⾳楽には、樹⽊のような優しさと磨き上
げられた逞しさと、四⼈をこの世に繋ぎ留めるに値するナニかが宿っているに違いない。
そのナニかを探し求める旅の途中を、 ⼀緒に⾒ていきたい。 そう感じさせる魅⼒が彼らには
ある。断⾔しよう。彼らは格好いい。
さて、お気づきだろうか。筆者は紛れもなく logical complex に虜にされている。
どうしようもなく魅了されている。
素直にそう⾔える。 しかし筆者は彼らの友達でもあるため、 ⾚⾯してしまう前にお暇とさせて頂きたい。
この⽂章はここで終わるが僕たちは途中だ。 彼らの
⾳楽がやまない限り、筆者が筆をおくことはないだろう。では。
2024 年 7 ⽉ 14 ⽇